異種和姦/乳首責め/異物挿入など
しゅっ、しゅっ、しゅっ……
男の荒い吐息と混じる、テンポよく性器を擦る音と、水音が暗い部屋に響いていた。
マクワは広げたマットの上に座って自分自身のモノを握り、一心不乱に扱き続ける。その手の動きに合わせて揺れる太い腰は艶めかしく、悩ましげに顰められた眉も、薄く開いた唇も煽情的なものだろう。
しゅっ、しゅっ、しゅっ……
立派に起ちあがったモノからは透明な液体が流れ出し、それが潤滑油となってさらに快感が増していき、少しずつ手のスピードが速まる。
だがしかし、普通の自慰と違うのは、マクワの椅子の代わりをするかのように、セキタンザンがそっと後ろに座り込んで支えていることだった。
時々皿に入った黒くてぬめりけの強い液体――セキタンザンの手入れをするときに集めたタールーーを掬い取り、勃起した自分の陰茎に塗しながら慰めるのも、誰にも言えないマクワだけのやり方だった。
彼が発する音も、行為も、仕草も、セキタンザンにとって特に何かを齎すものではない。もしあるとすれば苦し気な相棒を助けたいという気持ちだけだ。
彼は生殖器も性欲も、最初から持ち合わせておらず、今こうして性に耽るバディを見ていても、何一つ催すようなことも、向けるものもなかった。
マクワは体の力を抜き、後ろに座り、そっと抱きかかえるようにして手を伸ばすセキタンザンに身体を持たれ掛けさせた。そして彼の腕を取り、自分の口元の近くまで持ち上げた。ふわりと香る、懐かしく埃にも似た石の匂い。
一般的では到底あり得ない自慰の方法であることは、マクワにも自覚はある。
けれどいつからだろうか、こうしていなければ自分の欲望を発散できないことに気が付き、日常にも支障をきたすことがあった。代替としてセキタンザンが落としたものを吸ってみたり、後ろに入れてみたりと試してみたが、それでは反応できず、結局一人ではいなせないことが分かり、バディを巻き込むようになった。
たっぷりの石炭の芳香とその熱くて硬い感触だけがマクワを昂らせて、そして高みに連れていける。本能の鎖に縛られた自我を解放できる。
マクワが恥を忍んで呼べば、セキタンザンはいつだって当たり前のようにこのいびつな人間の欲求に付き合ってくれた。
しゅっ、しゅっ、しゅっ……
セキタンザンの腕に舌を這わせる。ぴちゃりと水音が響く。
セキタンザンにとって水は苦手だけれど、この程度であれば普段の訓練で浴びる水量のほうがずっと多かった。
マクワは石炭の味と香りを堪能するようにゆっくりと舐めると、ざらつく石の表皮が、砂っぽい香りが、ダイレクトに刺激してぴりぴりと脊椎に痺れが走った。
「ふ、ぅぅ……んぁ……あっ……」
ぱちぱちと瞬きをしながら、いつもと変わらない顔で心配そうにこちらを覗き込んでくるセキタンザン。彼は自分がどんな状況に置かれているか、何もわかっていない。
いやわかっていてもなお、彼はいつもと変わらない顔で寄り添う。
マクワはぞくぞくとした興奮とともに溜まった唾液を喉奥へと流し込んだ。
マクワがセキタンザンを自慰に巻き込むのはこれが初めてではない。最初こそどうしていいのかわからず困ってはいたが、今では当たり前のように受け入れてくれている。
心配そうに見つめてくるセキタンザンの優しさに、マクワの目頭がぐっと熱くなった。
自分がしていることが一般的ではないと自覚しているからこそ、そしてトレーナーとして常に手本のような人間でありたいと考えているからこそ、胸の奥に耐えがたい壁のようなものが聳え立つ。
けれど同時に、この日常と非日常の落差と狭間に依存し、悦んでしまっている自分もいた。
いくら行動が理想ではないものだとしても、マクワの高い高い矜持はそれをすべて認める言葉を持たなかった。
「ま……まだ……足りなくて……。ぼ、ぼくは……へ、変態じゃない……変態じゃないです……! で……でも……もっと……ほしい……!」
マクワは再びセキタンザンの指先を手に取り、自分の口に含んだ。そして、まるでフェラチオをするように舌を使って愛撫していく。
セキタンザンはされるがままになっているが、少しだけ困惑の色が浮かんでいた。それでも彼は拒まない。
そして体制を変えて、よりセキタンザンの身体にむちっとした大きな体を密着させた。そうすることで彼の身体の凹凸に当たった性器から、悦楽の端くれをつかめて、少しだけ心が落ち着いた。
さらにもう片方の手で、マクワは自分のモノを扱きながら、もう片方の手で胸の突起に触れる。
そして親指と人差し指で摘むと捏ねくり回し始めた。最初は優しく撫でるように触れていただけだったが、徐々に強まる刺激に腰が浮いてくる。マクワはねだるように腰をくねらせながら、胸を虐める手にも力が入っていった。
「……こ、こんなとこで……んはぁ……感じない……けど……んう……うー……くぅ……ッ」
その目の色は揺らぐような赤のにじむ菫色で焦点が定まっていない。そして乳首からの快感に喘いだ口の端から涎がとろとろと垂れていた。
気が付けば乳首はぷっくりと膨らみ、熟れたピンク色に染まっている。
「ふーっ……ふーっ……もっろ……はっ、はっ、はっ」
とうとうマクワは自分の尻たぶに触れ、後ろの孔を探すと、ゆっくりと自分の指を沈めた。
セキタンザンは戸惑いながら、マクワをただ見つめていた。
何もしなくて良い。ただそばに居るだけ。それはバディの言い付けでもあった。
彼に甘えるようにして、マクワは自分の蕾を押し広げた。そして何度も抜き差しを繰り返すと、徐々に中が解れていくのが分かった。
セキタンザンの腕に舌を這わせ、自分のモノと乳首を彼の腹で扱き、自身の指を蕾に突き刺してオナニーをする。
「ふぅ……くちゅ……んあ……あふ……んはっ……あ、んぅう……んっ、あん……あ、あくっ」
セキタンザンは困惑したように呻くが、決して止めようとはしない。それどころか、優しく背中をさすっていて、マクワはひとりでびりびりと神経を震わせた。
「ぼお……」
心配そうに見つめてくるその瞳に罪悪感が込み上げてきて、マクワは思わず顔を背けた。
まだまだ悦楽が足りなくて、留まらないどころかさらに大きく膨れ上がっている。
マクワは、自分の中に芽生えた欲望を制御できない自分に重たい絶望の感情を知った。
だがしかし、何よりこの欲求は貪欲で、もっともっとと底知らずに彼を求めてしがみつく。
「ひんっ……あ、ぅ……んんっ……うう……きみが……もっとほしい……ぁぅ……はっ、ぅぅ……はぁっ……もっともっときみに近づきたい……。あんんっ……あっ……あっ……んっ」
マクワは大きな石炭の指を軽く歯で噛む。びくりともしない太い手から、口の中で心地のいい埃の香が漂って、腰のほうに弾けた何かが集まってくる。
夢中になってしゃぶっていると体の奥底のほうに、心臓が生まれたかのようにどくどくと鳴っているのがわかる。マクワが求めるまま、彼の指が口の中に入ってくる。そしてそのまま口の中をかき回されるように動かされると、まるで犯されているようで血液が集まる。
「ちゅっ……んっ……ちゅっ、ちゅっ。んっ。でも……き、きみは……生殖も性欲も……わからないのに……んぅっ!? はぁっ、はぁっ……んぁっ。ふぁぁぁっ!!」
「シュポォ」
彼は優しい笑顔を浮かべながら、マクワの口内を撫で摩り続ける。不意に指が引き抜かれると、今度は唇をなぞるように撫でられる。まるでキスをするかのようにゆっくりと指先を動かされると、なんだかくすぐったくて、ぞわぞわしたものが下半身にあふれていく。
そして再び指を口の中に入れられ、舌の根元を押されると、お腹の底が熱くなってくるのがわかる。マクワはたまらず体を震わせた。
「シュポォ」
彼が呟くと身体中に電流が走ったような気がした。その甘い囁きだけで、脳まで溶かされてしまいそうになるほどだ。
彼のものがほしくなった。熱い身体を掻き回したいのだ。しかしそれは叶わないことだとわかっている。
「ひう、さ、触らなくて……良いのです。きみは……ふぅ……そ、そのまま……じっとしていて……ひっ! あぁぁぁっ! あ……あ……」
セキタンザンはゆっくりと頭を振って、マクワの起ちあがった乳首に触れてきた。マクワは思わず熱い吐息を漏らした。身体が大きく仰反って、胸を突き出す。
セキタンザンの太くてごつごつした硬い指が、彼の意思を持って優しく触れてくる。その感触と事実だけで、マクワは腰が砕けてしまいそうだった。
しかも彼は乳首を摘まんで引っ張ったり、指先で弾いた。そのたびに痺れるような快楽が身体中を走り抜けた。さっき自分で触ったのとは全く違う感覚。
「ひああッ……うぁっ!! あぁぁぁっ!!! 」
マクワはもっと触れてほしくて、思わず潤んだ瞳で見開き、彼を見上げた。
すると彼の大きな手が今度は太ももを撫で上げてくれる。
「シュポォ」
そしてそのまま股の間をまさぐられるうちに、マクワのモノはどんどん硬くなっていった。しかしわかりきっていたことだが、彼はそれ以上何もせず、ただ優しく撫でるだけだ。
十分すぎるほどではあるが、もどかしくてたまらない気持ちでいっぱいになると同時に、自分の身体が想定以上に感じてしまっていることに気づいた。
セキタンザンの手で触れられている、それだけで頭がおかしくなりそうなほど気持ちが良い。
マクワはセキタンザンの身体に抱きつくようにして身体を密着させ、淫らに腹肉を揺らした。
どうしようもないほど昂ぶっているのに、解放されることはなくただ欲望だけが膨れ上がっていく。
「シュポォ」
「んんっ! んはぁっ! はぁぁん! ああぁぁぁぁっ!!! きゃぅぅ……あぁぁ!」
セキタンザンの手で、身体が快楽を覚えさせられている。
彼が触れれば触れるほど、弾けるような快楽の粒が下半身にぎゅうと溜まっていく。
気持ちよさが過ぎて、痛みにも似た苦しさがマクワを縛り付ける。
セキタンザンは涎を拭おうとしたのか、ひとの唇をなぞった。マクワは思わずその指を口に含んだ。指先についた煤を舐め取る。彼の指を舌で包み込むようにして、ぴちゃぴちゃ舐めたりちゅうちゅうと吸ったりした。甘くて濃厚な味が身体中を駆け巡る。
「あふッ……あ……セキタンザン……ぼく……」
心がとくとくと熱い温度で満たされていくのを感じた。そして同時に下腹部にぎゅうぎゅうと熱いものが込み上げて、激しい衝動に支配されそうになるのが分かる。
セキタンザンの手が次はマクワの胸を撫でてくる。その優しい手つきに、マクワはどうしようもない熱を感じた。
この激悦に支配されてしまうなら、いっそセキタンザンにすべてをゆだねたい。
知りたい。いつも教えている彼に、自分の知らないものを教わりたい。
その高温を、ほかの誰にも触られたくはない場所に、灯して自分だけのものにしたい。
そうして身体中を駆け巡って溜まり続けるものを、あと一歩で訪れる絶頂を、解放してしまいたい。
「せ……きたんざ……お、おしえて……ぼ、ぼくに……む、むねの……きもちよさを……おしえて……くださ……ひっあッ」
ここにいま、トレーナーとポケモンの関係が反転されることが宣言された。
セキタンザンの大きな石炭の両手を、自分の両胸の前に持ってくれば、ごつごつした手が優しく揉みしだく。それだけでマクワは蕩けてしまいそうになるほどの快楽を感じていた。
「あぁっ!!!」
セキタンザンの大きな手が、どんどん強くなっていくにつれ、マクワはさらに興奮してくるのがわかった。ゴツゴツした太い石炭の指は、おそるおそるマクワの小さな乳首に触れてきた。
武骨なそれが、優しく捏ね回してくるものだから、深い芯に悦楽が灯る。
「ひう……んひぅ……!」
するとセキタンザンの手が、マクワが身体を反らす動きに合わせて動き始める。まるで快感を引き出すかのように胸を愛撫され、マクワは甘い声を上げながら悶えた。
白い乳がぷるんぷるんと大きく波打った。
「ああうあ、あっあああん!! へ、へん……まっれ、こんなの……ひああッ……あふうぅぅっ……! はぁああッ……んん……!!」
摘まんで引っ張ったり、指先で弾くセキタンザンの手の動きに合わせて、身体が淫靡に踊った。そのたびに甘い痺れが広がっていき、頭が真っ白になった。しかしそれでもまだ物足りない。そう思った自分に気が付き、羞恥が顔を赤らめる。
「ち……ちが……き、きもち……よすぎて……ああ、ひあッ……あひぃ……は……うあ、あ、ああああっ……!!」
今度は二本の太い指で挟み込む様にして擦り上げられると、再び目の前で極彩色が弾けて、電撃のような悦楽が背筋を走った。
そしてもう片方の乳首も同じように弄られば、激しい絶頂寸前の状態が続いていく。
「はう……あああぁんっ……!!」
ばちばちばちんばちんと瞼の裏が弾ける。
それでももっと強い刺激が欲しい。イきたい。イきたい。
セキタンザンの指はマクワの指示に従順で、ひたすらマクワの両胸をいじくり回し、快楽を教え込んでいた。セキタンザンはただバディが反応をする場所を探り続けていただけに違いない。
しかし三本の指が代わるがわるマクワの乳首に触れて悦楽を叩きこんでゆく。
「んっ、んふあぁっ……乳首が、しびれへ……ああっ、んんっ……!」
まるで自分の身体が自分のものではなくなってしまったかのような錯覚に陥るほど、強烈な快感に襲われ続けている。
頭の中でばちばちばちいと悦楽の炎が踊り狂っている。もう他には何も見えない。
ここが頂上。セキタンザンと登った極上の快楽の天辺。イける。イける。ようやく解放される。
「ああっ、あああっ、んあああああっ! ああああああああああああ!! うぅっ……! へ、あ……ッ!?♡」
マクワが絶頂に達そうとした瞬間、突然セキタンザンの手が止まった。
一緒に追いかけていたはずの身体は放り出されて戸惑い、必死で快感を得ようとくねらせた。
それは当然のことで仕方がない。彼にはひとの絶頂なんて理解できないからだ。はふ、はふと息を整え、熱を上げる頭の片隅でなんとか現状を整理した。
それでも高みに上り詰めきっていて、焦れったくなるほど緩やかな動作で触れてくるだけなのに、乳首への愛撫だけでもう達せる。到達する。来る。来る。
奥底からの深い震えを背筋が――
ぱくん!
胸にゆらめく暖かさが近づいた。そしてざらついた熱い石炭の口で加えられた瞬間、脳天を突き抜ける程の強烈な快感に襲われて、身体を仰け反らせた。
「う、うあああああッ……んああっ、あああっアァアアァアアアア……! いぎううううッ!!♡♡」
ひとではない硬質の手が、ずっと柔らかくもちもちした胸や腹をゆっくりと揉んだりさすったりする。もう全身ですべての悦楽を味わっている。
さらに分厚い親指の凹凸や角の当たる部分を使って優しく撫でられると、ダイヤモンドがちかちかと瞬いた。
「はあ……あぁッ……ッあう~~~~ッ♡」
極悦のマグマに乗せられ押しあげられる。
ほしい。ほしい。もっと。もっと奥深くに、ほしい。もっともっと、深く、繋がりたい。
腰の奥底から響く声に、頭がおかしくなりそうだ。
ちかちかと瞼の裏も脳内も瞬き続けているのに、なぜかちっとも絶頂に届かない。ここまできて、あと一歩届かないのがもどかしくて、苦しくて。
「もっ……♡ わかっら……わからからァ……あぁッ……♡ い゛きだ……い゛ぎだいぃ……♡♡ い゛ぎだいよぉ……♡♡」
悦楽と解放を求める腰がふるふると淫らに踊る。
自然とまた指が気持ちのいい所を探っていて、体の中に痺れがあふれて止まらない。
ダメだ、ほんとうにこれ以上はだめだ。
ずっと律してきたはずの自分にコントロールが効かないなんて。
おかしくなくて。かれこれ光が滂沱のようでおかしい。
「セキタ……ザン……たすけ……ッ……あ゛……ああっ♡♡」
セキタンザンはマクワの様子に驚いて、手を引っ込めようとするが、マクワは自身の孔を探りながらひたすらしがみ付いてくる。ならばと、後ろを弄る腕を掴んで無理やり引っ張り出した。
「やぁ……うう……あぅ……♡」
必死なマクワを転がして、セキタンザンは開いている方の手でその孔に指をゆっくりと沈めてみた。巨大な指が驚くほどあっという間に飲み込まれていく。
「んぎぐううう……!! ううぅうッ、ふうぅううぅ~~~!!♡♡」
中はふわふわのとろとろで、今にも破れ、壊れてしまいそうだ。マクワの顔を見ると、スミレに染まった目がぐるんと上を向いており、口はぽかりと開いたまま、涎がとろとろと溢れ続けていた。
「はあーっ……はー……っんあッ……ふえ……はーっ……ひああ、あぅァあっ」
セキタンザンは、ゆっくりと中で指を動かしてみた。大きな腰がぶるんと跳ね上がり、喘ぎ声が上がる。
ぱちぱちとまばたきをして、一度動きを止める。
「あッ、あうァあ……ッゆ、ゆび……くらは……もっろ……うごかひ……ふあああッ♡♡」
どうやら悪いことじゃなかったらしいと学習したセキタンザンは、中でぐちゅぐちと指を動かしてみた。中を擦ってみたり、奥深くを探ってみたり、柔らかくてどろどろしたひとの身体の中はふわふわのぐちゃぐちゃで、触っているのかわからず緊張するものだが、マクワにとってはそうではないらしい。
「ひぁあ、あッんあぁ、おっき……、ひい、ひぃい……んぎぅッ♡」
膨らんだところを触ってみると、指を動かすたびにマクワの腰が激しく跳ね上がる場所があった。集中して弄ってみると、マクワの舌が飛び出した。
「おお゛っ♡♡」
セキタンザンは、びくびくと震えている身体の上に覆い被さるようにして自分の身体を重ねた。そしてそのまま指を滑らせれば、マクワの体が強張り、無意識に孔が締まるのが分かる。
「あ、ひぃ……ッらめ……んう……ううッ……やら……れきな……いっ……いけないィ……」
マクワが頭を振る。確か、前の棒のようなものも、マクワは触っていたことを思い出し、セキタンザンはしがみ付いていた腕を離させ、代わりに陰茎を包み込んだ。
「……はア~~ッ…!!♡♡」
ざらつく石の手で優しく扱きながら、指を出し入れすると肉付きの良いたっぷりの体ががくがくと震え始める。
セキタンザンは指の動きを速めた。それと同時に、陰茎を包み込んだ手も激しく動かす。
マクワの身体の奥深くにある快感の根源を探り当てると、その一点を強く押し潰した。同時に中が激しく収縮し、指がちゅうと締め付けられた。
最も感覚としては分厚い皮膚からは伝わらず、ひっくり返った孔の動きを見て理解した事だった。
「んうううッ……あ……なんれ……? なんれ……いけないィ……イけな……んああ……ひあァ……♡」
セキタンザンはさすがに困り果てた。どうにかして楽にしてやりたいが、これ以上はどう処理してやればいいのかわからない。
首を傾げていると、マクワは突然起き上がり、腹に覆いかぶさった。
そしてそのまま大きな石炭に頬擦りを始める。自分でもどうすればよいのかわからないけれど、この熱を発散したくて仕方なかった。
「ふーッ……ふっ……ふぅー……♡ あ゛ーッ……♡」
痛苦にも届くほどの熱が身体中に溢れて、少しでも早く解き放ってしまいたい。
じんじんと痺れ続ける奥が切なくて仕方がない。
長い石で、最奥を貫いてほしい。
熱に浮かされて追い詰められた頭が、解決策を捻りだした。
「……セキッ……せき……たんざ……ストーン、エッジ……を……!♡ できれば……きみの……こ、ここから……はやして……」
マクワはセキタンザンの両足の間に小さく触れた。
突如技名を聞いたセキタンザンの眼の色が変わった。
ともに訓練し続けたという立派な証拠が今ここに色として現れている。
そして頷くとぎゅうと力を込めた。分厚い両足の間から、マクワの腕程太くて巨大な黒い石の剣が聳え立った。
尖った瞳が試合の時と同じように赤く光って対戦相手を見下ろしている。それを受け止めながら、マクワは両足を広げると両手で後穴をくぱぁと広げ、背筋を震わせて口角を上げた。
「セキタンザン……ぼ、ぼくに……ストーンエッジ……です!♡♡」
勝負の時と見紛う速さで、マクワが開いたその狭隘目掛けて黒い石剣をぶち込んだ。
みちみちと、関節が広げられる音が響いた。
「……あ゛んぎ、ぎいいいッ……ガッあ゛……、お゛おおッお……!!」
もう一度腰を引いて、再度狙いを定めた。
ばちゅん!
セキタンザンは ほめてもらおうと
ねらって きゅうしょに あてた!
「あ゛ァ……!!」
ばちばちばち、きらきらきら、ギラギラギラギラ!
溜まりに溜まって行き場を失っていた快楽がダイヤモンドの光輝となって弾け、すべてが激流に押し出されていく。
まるでマクワの中が全て焼け焦げて、入れ替えられていくようだ。
ダイヤモンドの原石は、深い深い地中で高い温度と強い圧力を得て生まれる。それと同じように、今、マクワはセキタンザンから高温と強烈な圧力に押しつぶされて輝きのかけらになった。
激しい衝撃と、充足感。身体の中に、熱く燃える石炭が存在する幸福。ぴゅっぴゅと飛び散る精液がセキタンザンの黒い腹で垂れ落ちていく。
熱に身を焦がしながら、マクワは再び絶頂を繰り返す。
「ああああああああァアアァアアア!!!!???♡♡♡ うああアアアアっ、あああぁァアアアっ……!♡♡♡」
石剣が抜き出されるたびに、内壁が削れるようだった。そしてまた挿れられるのを待つ間もなく、次の楔をねじ込まれていく。その度に頭が真っ白になって自分が自分でなくなっていく。
「――ん゛ん゛ん゛ん゛っ」
しかし彼は自分が育てたポケモンだった。勝利をもぎ取るために、一番になるために磨き抜かれたはずのその技が、今自分に向いていて、自分を押し流している。
強悦のいわの輝きが、身体に、脳みそに刻み付けられていく。
「…………あっ……ふあっ……♡♡ うあああ……♡」
不意に石剣が引き抜かれ、視界が反転する。いつの間にか体勢を変えられて、今度は後ろから覆い被さられた。
そしてそのまま一気に奥まで貫かれた。
「~~~~~~~~~~~~~~~!!」
歪な凹凸だらけの石塊に引き裂かれるような痛みと快楽が同時に押し寄せてくる。声にならない叫びをあげて、ひとではないその「いわ」を享受した。
石剣の動きは激しさを増しながらマクワの中を責め立てた。石の剣先がマクワの一番感じるところを貫き続ける。
凹凸の激しいものにごちゅごちゅと擦れて激しく痛み、痛苦に気持ちいいという感覚が混ざる。
「ひぎゅっ♡ うううぅ~~♡♡ んあっああっ♡ ……んっ……お゛っ……♡」
「ボオ」
肉付きの良い胸と腹がぷるんぷるんと柔らかく揺れている。セキタンザンは乳の根元をそうっと抑えながら、ぴんと起った乳首に尖った指先で触れた。思わずマクワはびくっと震え、小さく悲鳴をあげた。
「ひ、きゅ~~~!♡ これぇ……しゅぎっ……♡ あ゛い゛っ……♡♡ あ゛~~…………♡」
マクワが悶えると中も締まるので、セキタンザンは石剣が壊れてしまわないよう慎重に動かす。即席の岩剣は、自分の身体の一部ではない。頑丈ではあるが、比べてしまえばもろくて壊れやすい。
ずぽりと引き抜かれる度に内壁がめくれ上がり、押し入る時には歓迎するように締め付ける。
ぐちゅんぐちゅんと淫靡な水音が響いて、マクワの口からは甘い嬌声だけが零れている。
セキタンザンは戦闘時を思い出すように、相手に隙を見せまいと、ひたすら激しく腰を打ち付けていた。何度も何度も中を穿ち、熱い石塊を侵入させる。離さんとばかりに媚肉が絡みつく。
がつん、と大きく打ち付けた瞬間、マクワが大きくのけぞった。
「あうっあああ゛……お゛……♡ い、いぐ……っ♡ ん゛ひっ♡ あっああああッ♡」
ひときわ大きくびくびくと体を震わせて、息を吐いた。
セキタンザンにぎゅっと抱きついたまま、泣きそうな声で囁く。
「……はぁ……んう……♡ ず、るいなあ……きみは……きみは……ふっ♡ ……気持ちよくなんて……なくて……」
まだマクワの中に、何かしら足りていないものがある。言葉足らずでも、セキタンザンには伝わった。
黒い首を傾げて、今度はマクワの頰を撫でる。いまは優しく触れられるだけでマクワの心の奥にまで1500度の温度が灯る。
「シュポォー……」
セキタンザンがほほ笑み、ぎゅうとマクワの柔くひんやりした身体を抱きしめる。すると突然、背中の方からドロリとした熱いものが滴り、マクワの白い顔にべたりと落ちた。
思わず目をつむりながら、ねばつく黒い液体を指で拭った。指先を鈍く温めているそれは人肌よりはずっと熱く、しかしセキタンザンの身体の温度にしては低い。
「熱っ……わっ……これ……た、タール……? ひょっとして……今の運動で……」
どうやら激しく動いたことで、体に溜まっていたタールが零れ落ちてしまったらしい。
セキタンザンは慌てたが、むしろマクワはなんだかうれしそうにじっと指を濡らす黒い液を見つめていた。
「シュポ!」
「セキタンザン、何……あッ」
セキタンザンはマクワを抱き寄せると、石剣で中を擦り上げる。中が収縮して狭くなり、石塊を締め付けたことがわかった。
今一緒にいることは確かにマクワのためだが、それでもけして退屈ではなく、むしろうれしいのだと体で示したい。
普段人の前で先導し続けたがる彼が、こうして弱みも含めた全部を晒してくれている。そこに寄り添えるのはとても光栄なことで、バディとして素敵なことなのだと、セキタンザンは感じている。
思えば彼は、最初からこの行為をスムーズにするために、タール
を使っていた。セキタンザンはひらめいた。
「ひッ♡……きゅうに、うごいちゃ……ああッあ、あーーっ♡ ああーーっ…………♡」
マクワはセキタンザンの頭のほうに腕を回すと、足を絡ませて密着した。さらに強く抱きつくと、彼の高い身体の熱が燃える背中から伝わり、とろとろと溶かされていくような感覚があった。
あともう少し手を伸ばしていたら、きっと燃やされていただろう。
「きれ……きみのぜんぶ……ぜんしん……ぼくに……くらさい……! きみの強さで……痛みを味合わせてぇ……♡♡」
石剣が引き抜かれて、一瞬冷たい空気に触れたかと思うと、今度は一気に奥まで貫かれた。
その衝撃でマクワの視界は激しい光に包まれた。
しかし「全部」を集めるセキタンザンの動きが止まることはない。小刻みに体を揺することで、自身の中のタールを下腹部に集めていく。
そうして石塊がちゅくちゅく内壁を擦り上げる度に太い腰が踊り、礫のように襲う快感で掠れた喘ぎ声が上がった。
それらは全身を支配する熱をさらに煽っていく。マクワはセキタンザンにしがみついたまま、何度も絶頂を迎えていた。その度に石剣が硬く太くなっていくような気がして、その悦楽に溺れ続ける。
「おっごおっお゛お゛ぉ……♡」
がちゅんがちゅん!
熱い石の塊が再び奥深くへと進み、中でごりっと音がした。
それから短いテンポのストロークが続いて、誰にも入られたことのない最奥の狭隘を一定のテンポでノックされる。
全身でいわの痛みを味わい、とろとろに蕩けきった身体が、その扉を開く準備を整え、今『降ろして』いるのがわかる。誰も知らない未開の地を、抉じ開けられて、受け入れようとしている。
しかしセキタンザンはただ、言われた通り自身の持つ力を集めているだけに過ぎない。
蹂躙されるのは、ただひとりだけ。
暴力なのは、人間だけ。
「あ、ああ、ああ、あッあ……きちゃ……ああああ、あぁぁぁ……♡♡」
ばちゅん!
秘門が開かれて石塊がごりゅうと入り込んだ。
狭隘に閉ざされた先の最奥の壁を、石剣が貫く。その瞬間、マグマのような熱が一気に流れ込んできて、中と外からセキタンザンのタールに責められて脳髄まで焼け焦げそうになる。どこまでも熱く燃え続けるその岩柱は槍となってマクワを貫く。
ごちゅん!
最奥の扉を叩く度にそこから火を噴く石が噴き出すような感覚に陥り、爆発するような快感に襲われてマクワは全身で絶叫した。
自分は燃えているのだと錯覚する程の熱さがいまこの身のすべてを焦がしていた。
セキタンザンに突かれる度に激しく揺れる身体に合わせて、乳首もぷるんっぷるんっと揺れている。それを見たセキタンザンは、ぱくりとマクワの胸を咥えこむ。
「~~~~~~~~~~~~~!!♡♡」
身体の奥から脳天まで甘い痺れが突き抜けた。石剣で内壁を擦られる快感と両方の同時の責め。
今度は石剣の出っ張りで前立腺をノックされるような衝撃があり、電流のような快感が走る。
そして追い打ちをかけるように、最奥で熱い飛沫が弾けた。
ただのタールなのに、暴走する脳みそが勝手に熱を加速させていく。
熱く燃えながら注がれる灼熱液により、マクワの身体は溶けて煮え滾った溶岩へと成り果て、セキタンザンの身体の一部と化す姿だ。セキタンザンのタールはほのおへの耐性をさげるもの。
このままでは死んでしまうのではないかという恐怖と、待ち望んでいたこの高温が欲しいと思う自分がいる。
身体中から煙が立ち上っているかのように熱い。
「あ゛ぁあ゛あ゛ぁッ♡ んあ゛ッ♡ ああ゛ッ♡ あ、ああ~~~~~~~~~~~!!!?!?♡♡」
セキタンザンはマクワの身体を持ち上げると、今度は下から激しく突き上げ始めた。
石剣が中で暴れる度、マクワの身体も大きく跳ね上がる。
ぱちゅん!ぱんっ!ぬちゃ……ごぷ……じゅぶ……どぷっ!!
いやらしい音を立てながら、大量の液体がマクワの穴から溢れ出す。
脳天を貫くような快感は留まることなく走り続けていた。
その上から大きな手で包み込まれ、マクワの乳首がごりゅ、と押しつぶされるように扱かれた。
「――――――――――――――――――――――――ッ♡♡♡♡」
あまりの気持ちよさに、マクワはびくびくと体を震わせながらその黒い腹の石炭の凹凸の間に白い精液をとろとろと零した。
セキタンザンのストーンエッジで何度も涎を垂らす肉壁を抉られ続けて、絶頂から降りられない。マクワは自分が何によって気持ちよくなっているのかさえわからなくなってきた。
ひとがひととしてセキタンザンから得られる全てを享受している。
自分がセキタンザンだったらきっと得られなかったもの。
間違いなく幸福だった。
「ひぎ!♡♡ お゛ん゛ッ……♡♡」
セキタンザンが一際強く最奥を突き上げると、マクワは身体を大きく仰け反らせながら激しく潮を吹き出し、同時に熱く粘ついた液体がその部屋を満たしていった。
とても苦しくて心地よくて、多幸感で胸が壊れそうになる。
「――――――――――――――――~~~~~~~~~ふ、えへ……えへへえ♡♡」
流石に体力の限界が来たのか、マクワの瞼は降りて行った。ぐったりとした体はセキタンザンの腕の中に抱き止められていた。
やり過ぎてしまったのだろうか。落ち着くタイミングを見計らい、セキタンザンはゆっくりと中から引き抜いたが、大きく開かれた孔は閉じられずにぽっかりと開いていた。
どろりとこぼれて糸を引くのは、ねばつくタールだった。
刺激のせいだろうか、再び目を開いたマクワが、自分の後ろから落ち行く黒い液体を指で掬い取った。
「んっ、ふぅ……ッ♡ はぁ……きみが……こ、こんなタールショットの……コントロールを……覚える……なんて……ん……」
「シュポォ」
「こんどは……タールショットも……ぼくが指示……します」
「ポー!」
マクワの茹って赤みの差した白い頬が、じわじわとさらに赤に染まった。ストーンエッジからのタールショットの組み合わせ技なんて、自分にさえもなかったクレバーな発想だ。
負けて悔しいような気持ちと、誇らしいような気持ちが綯い交ぜになる。
ただ確実にわかるのは、彼が自分自身の発想でマクワの欲の発散に付き合ってくれたことだ。
「……ぼくの肌は白いから……きみの黒い液が映える……よね……」
フロストブルーの目が、指先にべたりとくっつく黒い液体を映していた。
「シュポー?」
「……ううん。気にしないで……いまはとにかく眠くて……あとでタールは落とすから……」
「シュポォー!」
セキタンザンが今までキープし続けたストーンエッジの力を解き放てば、石炭の石塊は粉々になって消えてゆく。ひとが足と足の間にある棒の先から液体を出すことは、今何度も見ることができた。どうやら正解だったようだ。
そして今にも再び眠りの淵へと落っこちそうなマクワを抱き上げると、そのままシャワー室に連れていった。水は自分に掛かりさえしなければ多少問題はない。
それよりも、人間の身体に悪いことをしたままのほうが絶対に良くないとセキタンザンは考えた。
確信はない。けれど石炭がもたらすものの中に、人間の身体に負担になるものがたくさんあることは、長い人間との生活で学んでいる。タールもその可能性は少なくないだろう。
バディはいつだって光の差す道へと連れて行ってくれる。だからそのための足りない部分は、自分が補うのだ。
「あ……あとでいいって言ったのに……つめたっ!」
賑やかなバスルームでのどたばた劇が、安らかな眠りの時間に変わるまで、あともう少し。
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