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ぷち登山中のセキタンザンとマクワさんが集落のタンドンに襲われたり、助けたり助けられたりする話

枯草を踏む音が響いた。樹と木の間の細い獣道を、大きなザックを背負ったマクワが進んでいく。片手にはストックを持ち、登山用のアウターをしっかり重ねている。天気は良いはずだが、森の中は鬱蒼として薄暗い。ふとマクワが立ち止まって振り返れば、セキタン…

マクワさんがセキタンザンと共に、ヒョウタさんにクロガネを案内してもらう話。

海の向こうは、白雪の中だった。ガラルから飛行機を何便も経由して、更に船便を使い、北方の火山島へと辿り着いた。トレーナーがポケモンと居る事に集中するための小島は、必要最低限の設備しかない。その分質の高いトレーニング環境が整うすばらしい場所だ。…

息子が母親を監禁して拗らせたクソデカ感情を親子で解決する、親子関係の呪いと祝福の話

 雁字搦めになって、いつの間にか砂の中で溺れ、呼吸の仕方を忘れている。硝子玉が一つ、ぱちんと弾けて、小さな鉱石になった。この日の為に、どれだけ費やして来ただろう。山小屋の周囲にはポケモンすら寄せないよう、バンギラス達に数日間見張ら…
過去ひとに虐待を受けていたたんどんと、口説き落とそうとするまくわさんが相棒関係になるまでの話

過去ひとに虐待を受けていたタンドンと、口説き落とそうとするマクワさんが相棒関係になるまでの話(特殊設定)

「見つけた、ぼくの……宝石」最近、俺は人間に付きまとわれている。雪山の麓、ひとりで静かに暮らしていたはずの俺は、この男のせいで密やかな日常を粉々にされてしまった。人がやっと一人入れるサイズの洞窟。タンドンの俺にとってはこれでも広いぐらいだ。…
ひつじと燎火

スタートーナメント後のセイボリーさんとクララちゃんが、セキタンザンを喪ったマクワさんと遭遇し、事件を解決する話(昏い)

セキタンザンが死んだ。あれほどの巨体でさえ、あっけなく終わらせてしまえる。命という物は、なんて脆く残酷なのだろう。◆自然豊かなヨロイ島は、たくさんのトレーナー達がオフやトレーニングに選ぶ、知る人ぞ知る所だ。雨の日も、霧の日も、曇天の日も、日…
インペリアル・フィズというタイトルの小説の表紙です

ガラルジムリ忘年会で引退したメロンさんが来るから飲みたいのに飲めないマクワさんの話

週間予報で既に予想されていた天候は見事に当たり、ここナックルシティの石畳は真っ白な雪で埋もれていた。冷え切った窓も中の熱気を帯びて真っ白に曇り、外の様子は伺えないが、同じ色に染まっていることだけはわかる。ナックルシティのスタジアムの近くにあ…

こおり使いになると宣言した子供時代のマの所に、人間(子供)になったたんどんがやって来る話

祝福するような酷い雷と嵐は、頭上を過ぎていった。木の根っこをベッド代わりにして寝ると、身体がこんなにも痛くなるし、あちこちぐちゃぐちゃになってしまうなんて知る由もなかっただろう。それでも、俺にとってはきらきらの木漏れ日が迎える朝だった。俺は…